初めて斧を買おうと思うと、周りの声に惑わされます。
「柄が木だと壊れるよ。」
「やっぱり和斧が最高!」
「重いと疲れるよ。」
「ケガするから危ないよ。」
薪割り初心者でも安全に割れる斧や方法がありました。
- 7㎝の「エラ」に威力がある
- 2.7㎏の重さは一長一短
- 柄が木なので初心者は針金で対策
- 古タイヤは2重の事故防止
- 小さい薪作りは小さい斧で
- 薪割りは疲れるので適度な休憩
- 薪割り初心者~中級者の方
- ヘルコの使い勝手が気になる方
- 安全対策をしたい方
筆者は地方に住む、薪ストーブユーザーです。
薪作りに関しては、薪ストーブを自宅に導入する前から友人宅の薪作りを手伝ったり、キャンプで焚き火用の薪も作ったりもしていました。
友人からもらった古い和斧を使っていましたが、楔(くさび)がすぐ抜けるようになり、新しい斧を購入しようかと考えていました。
筆者は薪割りエキスパートでは全然無いので、
「割り易い斧はどれか?」
と悩んでいたところ、先日、友人のを使わせてもらった際に
「これは使いやすい!」
と直感的に感じ、購入してしまいました。
選んだ理由
借りた時に割り易いと直感的に感じたのと、予算は1万~2万以内にピッタリと収まったので、「helko(ヘルコ) スプリッティングマスター DT-6」にしました。
メリット
- 適度な重さ(2.7㎏)
- エラが張っている
- 楔(くさび)が円形
適度な重さ
重量は2.7㎏なので重さは感じます。
ヘッドの重さがあるので、振り上げた後は重力+αの力を加えれば、節の無い薪であれば「パッカーン!」と気持ちよく割る事ができます。
また80㎝という柄の長さは、身長172㎝の筆者にとっては、ちょうど良いと感じました。ちなみに妻(身長160㎝)でも、長すぎると感じる事は無いとの事。
エラが張っている
下の写真の通り、約7㎝のエラがあります。
刃が刺さった後に「エラ」がめり込んで引き裂くので、薪は「スパーン」ときれいに吹っ飛びます。
楔(くさび)が円形
薪ストーブ10年超の友人達によれば、刃を固定する楔が「円形」なので抜けにくいとの事です。
和斧は「長方形」の楔が多いので、「円形」に比べ抜けやすいそうです。
デメリット
- 女性には少し重たい
- 柄が木なので心配
- 刃の傷みが早い?
女性には少し重たい
2.7㎏という重さは振り下ろす際のメリットになりますが、一方で振り上げる際にのデメリットにもなり得ます。
男性だとあまり重さは感じませんが、女性だと振り上げる際に重さを感じる様です。
柄が木
薪割り初心者だと、疲れて集中力が切れると柄の部分をヒットさせ、
「ビーン!」
と腕がしびれる事があります。
そんな時に柄が木材だと折れたり、傷になってしまうと心配になります。
柄の部分をヒットさせてしまう対策は「針金グルグル巻き」という方法で保護しています。(後述します。)
刃の傷みが早い?
斧を購入し、2t程度の薪割り後に先述の友人達に刃を見てもらったところ、
「初年度終了の割には刃の傷みが少し早い。」
との事でした。
※ 斧に慣れていなかったので、筆者が刃を傷ませるのが早かっただけかもしれません。
安心して薪割りをするために用意した物
- 針金
- 古タイヤ
- 手斧
針金
まだまだ薪割りエキスパートではない筆者は、下の写真のように柄の部分には針金を巻きました。
集中力が切れると柄をヒットさせてしまい、針金はボロボロになりましたが、柄はそれなりに守られました。
古タイヤ
エラの影響なのか、割った薪がよく飛びました。
一度、飛んだ薪が車にぶつかり小さな傷を作ったので対策をしました。
古タイヤを調達し、下の写真のように薪割り台の上にセットし、その中で割るようにしたところ、あまり薪が飛ばなくなりました。
古タイヤには「空振り時」の安全確保という側面もあります。
「薪を打つ時は腰を落とし、空振りしても斧を足に当たらないようにする。」
と言われますが、疲れてくると腰が浮いた状態で打ってしまう事もあります。
そんなときに限って空振りしますが、古タイヤに斧がぶつかるので、体に向かってくるリスクを下げられます。
古タイヤは薪を割るごとに動いてしまうので、薪と古タイヤをセットする事になり、わずらわしさを感じますが、安全第一を考えるなら、古タイヤを用意しておくと安心できます。
手斧(ハスクバーナ)
筆者はキャンプ用で小さな斧を持っていますが、薪割りには小さな斧は必須です。
少し細めの薪を用意する際、大きな斧で狙いを定めても思い通りの大きさにならない事がよくあります。
さらに、
「薪も細いから、力を入れなくても平気」
と振った時に限って、空振りが発生します。
そんな時は足も開いていないし、安全対策のタイヤもセットしていないものです。
斧が足に向かってきます・・・。
刺さらなかっただけ幸運でしたが、筆者はすねに青あざを作った経験があります。
小さな薪を作る際には、狙いを定めやすい小さな斧を用意する必要があります。
筆者はキャンプ用に購入した写真の斧を利用しています。
薪割りで心掛けている事
- 足を開く
- 姿勢よく、真っすぐ
- 打つ時は腰を落とし、膝を曲げる
- 適度な休憩
足を開く
「薪割りの仕方」と検索すれば必ず出てくる言葉ですが、足を開く事は絶対です。
足を閉じて立ち、空振りした場合は斧が足に直撃します。
前述の通り、筆者は油断してすねに青あざを作りました。
幸い長靴を履いていた事で、長靴がクッションの役目をしてくれましたが油断は禁物です。
姿勢よく、真っすぐ
背筋は伸ばし、斧を振り上げる際も真っすぐに振り上げます。
特に初心者の頃は狙った場所に斧が落ちないので、筆者は
「真っすぐ振り上げて、真っすぐ振り下ろす」
事を心掛けています。
打つ時は腰を落とし、膝を曲げる
振りかぶって振り下ろす際には、意識して腰を落とし、膝を曲げています。
棒立ちのまま振り下ろすと、空振りをすると体の方に斧が向かってくる事になります。
きちんと腰を落とし、膝を曲げれば、空振りしても斧は体に向かってこないし、力も入るので薪も「パッカーン」と良い音で割れます。
適度な休憩
薪割りは意外と疲れます。
- 重たい玉切りをセット
- 重たい斧を振り上げて振り下ろす
- 割れた薪を移動
初心者の頃は思った場所に当たらず、何度も振りかぶる事にもなり、疲れも倍増します。
1時間に1度は休む事を心掛け、あまりやり過ぎないようにしても、翌日は腰や腕が痛くなるものです。
たまに疲れるので機械に頼ろうかと迷うことはありますが、運動不足解消と、無理難題を押し付ける上司の顔を思い出しながら振り下ろすとストレス解消にもなるので、しばらくは続けようと考えています。
これで記事は終わりとなります。
最後までお読みいただきありがとうございます。
本記事は筆者自身の薪割り経験を基にしています。
多少なりとも薪割りや斧の参考になれば嬉しい限りです。
本記事で紹介した斧