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みんなでラジオ体操に垣間見える管理・統制文化

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結論、はじめに

 

結論:「管理・統制」が機能するほど、社畜は生まれるが、アイデアは生まれない

 

朝、街を歩いていると会社の駐車場で大人たちがスーツや制服を着て憂鬱な顔でラジオ体操をしている姿を見かけます。

 

誰にも見えない場所ならまだしも、歩行者からも見える道路に面した場所でラジオ体操をやらせるのは、ちょっとした衆人環視の中の罰ゲームにも思えます。さらには歩行者から見える場所で朝礼をやっていたりと、いろいろな形で朝から罰ゲームをしている光景を見ることができます。

 

こういった光景を観察すると、「偉い」と思われる年配の方が隅っこに居て社員に睨みを効かせていたりします。

 

こういった会社は「管理・統制」が中心にある昭和な価値観満載の古い体質の会社と言って間違いないでしょう。

  

 

管理・統制とは

 

昭和な古い体質の企業では社員の管理・統制が重要であると考えている経営者が多く、こうした管理・統制作業を真面目にこなす社員を優秀とみなしてしまう傾向があります。ラジオ体操も典型的な管理・統制業務ですが、その他にも 

  • 就業開始時間30分~1時間前には出社(出来れば上司より早く)
  • みんなで集まって朝礼、夕礼
  • お行儀よく席に座って上司の監視を受ける
  • 隣りとの楽しいお喋りは厳禁
  • 電話はヒソヒソと話す
  • 眠くなっても、業務時間内は目を開ける努力をし続ける
  • 日報、週報、月報
  • 上司へのマメな報告・連絡・相談
  • 上司より先に帰ることはできない残業時間
  • 上司に飲み会を誘われたら断ってはいけない
  • 旅行・ゴルフ・運動会・祭り等の会社行事への参加

 と、本業とは関係無い業務や暗黙のルールが至るところに存在しています。

 

管理・統制業務は会社の序列を維持したり、適度な緊張感を職場に与える為には有効で、全員が同じ方向を向いて頑張れば良かった右肩上がりの昭和には機能していました。

 

しかし、多様な価値観や自由な環境が浸透してきた現在では機能しなくなってきている事は否めません。

 

にも拘わらず、昭和な価値観から抜け出せない経営者は未だに「ギロリっ」と睨みを効かせて、「管理・統制」にいそしんでいるのです。

 

 

管理・統制文化の副作用

 

会社に管理・統制文化が定着してしまうと副作用が発生します。

 

社員は、お行儀よく、静かにし、上司の命令に従順にしていれば、失点する事は無くなり上司の評価はよくなります。逆に、上司とぶつかるような意見やアイデアを出してしまったりすると、従順では無いとみなされて失点につながってしまうのです。

 

筆者も20代の頃は

「40過ぎたら新しいアイデアなんて出ないんだから、新しい事は20~30代の若手に任せるべきだ。」

と強気な事を言って、上司から疎ましがられた経験があります。

 

そのうち積極的な若手は(筆者もそうでしたが、)、

「何かを積極的に発言すると、給料やボーナスが下がるから黙っていよう。」

と学習してしまい、会議で何も発言しなくなってしまいます。

 

こうなってしまうと、誰も新しいアイデアを出したがらなくなり、上司の顔色だけを見て、失点を少なくする事に終始する保守的な社員やイエスマン、いわゆる「社畜」ばかりが社内にあふれてしまいます。

 

 

その結果

 

経営者や上司が

「既存の枠組みを脱却する自由闊達な意見を出してもらいたい。」

「指示待ちではダメだ!アイデアを出せ!トライアンドエラーだ!」

と叫んだところで、絶えず上司の顔色ばかりを見る社畜があふれてしまっているのですから、管理・統制環境を壊さない限り、何も出てくることはありません。

 

更には、優秀な若者達はさっさと見切りをつけて出て行ってしまっているので、気付けば若者は寄り付かず、行き場の無いおじさん社畜とおばさん社畜だけのよどんだ職場になっている事でしょう。

 

 

最後に

 

管理・統制の仕組みが機能すればするほど、社内の活性化や新たなアイデアや若者の定着を阻害してしまうのはなんとも悲しい限りです。

 

右肩上がりの時代はすでに遠い過去となっている現在、昭和な価値観に基づいた管理・統制環境をバッサリと捨てる覚悟も必要なのですが、こうした企業では社畜ばかりなので改革すら出来なくなっています。

 

管理・統制文化を捨て去り、多種多様な価値観を受け入れ、自由闊達なアイデアから画期的な商品やサービスを開発し、更には、能力ある若者達を惹きつける魅力ある会社に生まれ変わってくれると嬉しいのですが、現実はまだまだ厳しいと言えるでしょう。

 

と言うのも、古き良き「昭和」を引きずっている経営者は60代以上ですから、こうした世代はまだまだ元気で

「まだまだ、若い者には負けん!」

「社員は俺の言う事を黙って聞いていればいいんだ!」

「そもそも、社員は俺に従う奴隷だ!」

と叫びながら、この先10年は引退しないでしょうから、「平成」も終わったというのに、この先もしばらくは「昭和」が残っていくのでしょう。

 

世代交代を待っている間に会社が傾かない事を祈るばかり。