「この前買ったネクタイ、上司が嫌な顔しそう」
「このスーツ着ていったら、上司より目立ちそう」
「ヨレヨレスーツ、上司は見ていないよね」
会社に行く洋服を選ぶ時に上司の顔が思い浮かんでしまう古い体質の企業での対処方法があります。
- 部下が派手だと俺(上司)が困る
- 仕事できないでしょ?
- 下位なら地味で安っぽく
- 上位なら地味で上質
- 臭い、シワシワはアウト
- ジャケット忘れて恥をかく
- 派手めな洋服を選ぶと、上司の嫌がる顔が思い浮かぶ方
- 古い体質の企業でなんとしても生き残りたい方
筆者は約20年、日本企業等、5社に所属したり、製造業を中心として何社もの企業に訪問し、経営者や上司と言われる方々と一緒に仕事をしてきました。
結論からすると、古い体質の企業では地味が一番です。
目立つ格好をしているだけで、
「あいつは仕事もたいした事ないくせに、かっこばっかりだ。」
となり、昇給にも昇進にも影響を及ぼします。
これに反発して仕事で成果をあげたところで結果は同じです。
協調性が無い、忠実では無い、なんだって理由はつけられます。
そういう筆者もカッコつけたがりな性格もあり、服装や持ち物で上司にイヤミを言われました。
また上位職になってからは、若手の服装の事で取締役から文句を言われる事もあり、
「いつまでたっても古い体質の企業は変わらないんだ。」
とガッカリしました。
そんな中でも、個性を殺し、うまく昇進していく先輩の身だしなみ、一方で文句を言われていた筆者や同僚を比較し、対処法をまとめました。
上司はなぜそう思うのか?
- 派手だと上司が困る
- おしゃれは仕事できないアピール
- 主役は部下(あなた)じゃない
派手だと上司が困る
服装に敏感な若手(20~30代前半)は特に気を付ける必要があります。
直属の上司が40代前後ならば、若手が派手な服装をしていても理解を示します。
しかし、その上の世代は理解ができません。
直属の上司の上司は部長・役員クラスとなり、50代以上、若しくはお爺さん世代にゴマをすって登った社員です。
「お前の課の社員は派手だなぁ。あの『ちんどん屋』達はちゃんと仕事をしているのか?服装になんか気を使っているから、仕事もしていないんだろ。だから今期の目標も・・・」
上からこんな事を言われてしまいます。
そもそも古い体質の企業の目標は「届かない」が普通なので、派手な部下が居るだけで、嫌味を言われ続ける事になります。
理解してくれていた上司も、上からのプレッシャーに耐えかねて、
「ちょっと○○さん、少し服装考えてよ。ここは職場だよ。」
となってしまいます。
おしゃれは仕事できないアピール
前述の通り、古い世代から「ちんどん屋」のレッテルを貼られてしまうと、何かにつけて理由にされてしまいます。
いつの間にかスケープゴートにされてしまいます。
「死に物狂いで頑張らないといけない20~30代前半で、おしゃれに気を取られている奴は仕事ができない。」
と決めつけてかかる年配世代は想像以上に多いのです。
主役は部下(あなた)じゃない
「部下が自分より良いスーツを着て目立っている」
上司はそんな部下を同席させたくありません。
古い体質の企業では、
「主役は上司、部下はわき役」
である事が大切です。
自分が課長クラス以下なら、直属の上司のスーツのヨレヨレ感と同じレベルの生地を選び、目立たずわき役に徹する必要があります。
一方で部長クラス以上は、取締役や社長と打ち合わせや会食に同席する事もあるので、ヨレヨレ感の安いスーツだと、取引先に対して失礼にあたるので、相応のスーツを用意する必要があります。
対処法
- スーツの値段、色
- ワイシャツ、ネクタイ
- ベルト、靴
スーツの値段、色
- 課長クラス以下:地味で安っぽく
- 部長クラス以上:地味で上質
課長クラス以下
前述の通り、直属の上司の雰囲気を見ながら自分のスーツを選ぶ必要があります。
値段の相場では、1~5万となります。
それ以上の値段だと上質感も出てしまうので、
「無理して頑張ってる下っ端のにいちゃん。」
と、取引先や上司からみなされます。
筆者は銀行員とも仕事をしましたが、特に支店長や役員クラスの銀行員達は部下や取引先をよく観察し、値踏みしています。
ある打ち合わせの後、
「あの横でメモっていた若造、無理して高いスーツ着てたな。あの会社なら年収はこれくらいだから、親のスネでもかじっているのかな?どっちにしても身分をわきまえないバカが居る会社か(笑)期待できないな。」
と、しっかり値踏みしていました。
こんな値踏みをされてもいいように、ヒエラルキーと自分の位置を考え、相応なスーツ購入がスマートと言えます。
さらに、このクラスだと、たまに力仕事があったりもするので、汚れてもいいくらいの値段にしておくと後悔が少なくなります。
部長クラス以上
会社の顔として、他社の役員に会ったりするので相応のスーツが必要になります。
「社長が同席する打ち合わせで、みすぼらしいヨレヨレスーツを着て同席する取締役、部長」
これでは社長のメンツも丸つぶれです。
値段の相場は、6万以上が必須となります。
スーツは消耗品なので、年収が1000万前後で子供も居れば、この値段は苦しいところです。
筆者も部長職をやっている時は「バーゲンの鬼!」になりました。
課長クラス、部長クラス以上、どちらにも言えますが、色は無難にしないとダメです。
- 黒(ストライプが無いと冠婚葬祭なので、シャドーストライプ入り)
- 紺、地味な青
- チャコールグレー
- 薄いグレー
これ以外は着ない方がいいでしょう。
自分が社長であれば何でもオッケーですが、
「自分の上に誰かが居る」
のなら、いつでもわき役である事を肝に銘じる必要があります。
ワイシャツ、ネクタイ
先ず大前提は「目立たない」になります。
特にワイシャツは個性を出したいところですが「白」です。
クールビズの時は水色などを選んでもいいですが、あくまでも「白」が基本です。
白で千鳥格子やシャドーストライプくらいは楽しんでもいいですが、ボタンホールステッチに目立つ色は厳禁です。
せっかく白を選んだのに、かえって目立ってしまいます。
水色、グレーくらいの薄い色のボタンホールステッチなら許される範囲です。
ワイシャツと同じくらい気をつけたいのがネクタイです。
基本は「レジメンタルタイ」「ドットタイ」です。
しかも色は地味にします。
この辺は自分で選ばず、お店の人に
「景色に溶け込むような感じのはどれですか?」
と聞き、浮かない色を選んでもらった方が早いです。
「ワイシャツやネクタイくらい、自分の好みで・・・」
と思うところですが、仕事は遊びではありません。
つまらない私情や趣味趣向に走り、つまらない閑職に追いやられてしまう社員はたくさんいます。
古い体質の企業で生き残るためには、地味で景色に溶け込むくらいでちょうどよいのです。
ベルト、靴
とにかく「黒」「プレーントウ」が基本。
これに尽きます。
茶色を選んだりしたくなりますが、基本は黒です。
スーツも地味、ワイシャツもネクタイも地味と、やっとここまできたのに、ベルトと靴ではずしてしまっては元も子もありません。
靴の形状に関しては、一時期のブームは去りましたが「トンガリ」はやめましょう。
あくまでもプレーンにしておきます。
「これじゃ就活生じゃん!」
と思いますが、その延長で十分なのです。
おしゃれを楽しんでも、生き残りには何ら影響がありません。むしろ害悪です。
そんなところに気を使うよりも、古い体質の企業で生き残るのなら、仕事、そして上司に気を配る(ゴマをする)のが最優先です。
やってはいけない事
- しわしわ・臭いはダメ
- 不相応な物も取っておく
- 夏のジャケット忘れに注意(部長クラス以上)
しわしわ・臭いはダメ
清潔感が感じられないのはアウトです。
- ひじ部分がシワシワのジャケット
- 居酒屋の油臭、焼肉屋の肉臭がするジャケット
- ひざの裏がシワシワのパンツ
- ひじ、太もも周辺がテカテカしたパンツ
- ラーメンの汁跡がついた、ジャケット、パンツ
- 夏場、着た瞬間にべたつくパンツ
- 糊の効いていないワイシャツ
- 古くて毛玉が出来たワイシャツ
- 襟や袖口の繊維がこすれた感たっぷりのワイシャツ
- 折れ曲がったネクタイ
- ラーメンの汁跡がついたネクタイ
- ヨレヨレのベルト
- かかとのゴムがすり切れ、木まで削れている靴
- 机のふちでこすれた跡がいっぱいの靴
- 雨で何回も濡れて白い染みの浮いた靴
「ちょっとくらいならいいか」
と誰しもやった経験があります。
これは意外と見られています。
「あいつのスーツ、何日着ているんだ!クサそうで近寄りたくないな(笑)」
「あいつの靴、見た事あるか?そのうちかかとが無くなるぞ!(笑)」
と、居酒屋で社長や取締役の笑い者にされているのをよく聞きました。
こうしたイメージがつくと、重要な取引先と話をする時も、
「あいつを会社の顔として出すのは無理だな。」
となり、閑職まっしぐらになります。
不相応な物も取っておく
捨てられずに取っておくのも厳禁です。
- ヨレヨレな感じだけど、なんか捨てられないスーツ
- 1回しか着なかった、ちょっと派手なワイシャツ
- 染みができてしまったネクタイ
- クタクタのベルト
- また履くかもと、とっておいたくたびれた靴
こういったものを取っておくと、何かの拍子で出番ができてしまいます。
- クリーニング取り忘れ
- どっかに忘れてきた
- 大雨で濡れてしまった
「まぁ、今日は特に来客もないし大丈夫」
と、着ている時に限って、
- 部長に来客があり、急遽同席
- 取締役と取引先に行く
- 社長に呼ばれた
- 上司との飲み会になった
こうした運の悪い事が重なります。
「ヤバい!今日の格好、あまり見られたくないなぁ。」
こんな思いが、パフォーマンスにも影響します。
こんな時に限って、上司はみすぼらしさに気付き、
「こいつは言ってる事も自信なさげだし、格好もみすぼらしいし。呼ぶんじゃなかった。」
とガッカリさせ、二度と呼ばれる事もなくなります。
こうした事を防ぐためにも、出番を失った戦闘服はさっさと捨てるか売るに限ります。
夏のジャケット忘れに注意(部長クラス以上)
特に部長クラス以上の方は、クールビズ期間であってもジャケットは必須です。
前述のように、
「おいっ、○○会社の○○社長がこれから来るから同席してくれ。」
なんて事は普通に起こります。
そんな時にノージャケット・・・。
筆者も何度もこの情けなさを味わいました。
全員がジャケットを着ていて、しかも社長、取締役、部長クラス。
自分だけノージャケット。
一気に自分がみすぼらしく感じてしまいます。
挙句の果てに、打ち合わせ終了後、
「お前、ジャケットを持ってきてないのか?上位役職者としての身だしなみがなっていないな。」
と露骨にイヤミを言われてしまう事もありました。
こんな事にならないように、夏でも万全の備えは必要です。
最後に
若い経営者の会社であれば、こんな服装の事に気を使う必要なんて微塵もありません。
しかし、古い体質の企業では未だに服装には厳しい暗黙のルールがあります。
特に部長クラスになれば、お財布も無理して、それなりの格好をする必要があります。
一方で、清潔感があり地味な格好をしているだけで、簡単に高評価にもつながるので、自分の趣味趣向に走らなければ、古い体質の企業で生き残る事ができます。
これで記事は終わりとなります。
最後までお読みいただきありがとうございます。
本記事は個性を殺し、スマートに生き残る先輩、そしてその反対の筆者や同僚の観察と経験を基にしています。
多少なりとも、古い体質の企業での生き残りの参考になれば嬉しい限りです。
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