ブロゲーロ

その業務のシステム化は必要ですか?エクセルじゃダメですか?

 

 

 

 

結論、はじめに

 

結論:定型業務でないのなら、システム化しても効果は低いし、使われないかも。

 

最近では基幹系業務(受注、予約、実績、販売、売上、請求)についてはシステム化されている会社は多いと思います。

 

その一方で、予測を行う業務(受注・予約の見込み、生産計画、予算策定)については、未だに複雑なエクセルを駆使して担当者が行なっている事が多々あります。

 

 

現場からのよくある質問

 

現場の上長は唐突に

「このエクセルでやっている予測数値の算出って、この数字とこの数字が状況によって変わるだけだからシステム化できるんじゃない?そうすれば、この実績と照らし合わせて予実管理できるし、月次報告作るのもボタン一つでできるし、管理部門もすぐ見られるようになるだろ。」

と情シスに相談してくるのは、よくある事かと思います。

 

何も無い平時であれば、

「そうですね。次回の基幹システム刷新の時には考えてみますか。」

と先送りもできますが、

システム入れ替えを検討している最中だと、こうした予測業務が後々の火種になることがよくあります。

 

今まで出来なかった予実管理も出来るし、

現場の業務負担軽減にもなるし、

管理部門でも数値確認が出来るし、

と、良い事ばかりだからシステム刷新時の目玉機能にしようとシステム要件に入れてしまいがちですが、ここでストップしましょう!

 

 

システムの得意、不得意

 

そもそもシステムは

「定型業務で出てきた結果数値を入力し、それを出力するのが得意」

であって、

「数値をこねくり回す、予測系業務は不得意」

なのです。

 

仮に先ほどの上長の「この数字とこの数字がが状況によって変わる・・・」をマスタ化して計算式を組んだとしても、会社のビジネスの状況が変わればその計算式はどんどんと変わっていく可能性があり、そのたびにシステム改修をしていたら費用ばかりが膨らんでしまいます。

じゃあ、「BIとかエクセルライクなシステムで実装しよう!」とベンダーは提案してくるかもしれませんが、これもよく考えてください。

「BIやエクセルライクなシステムの設定変更は誰が継続的に行うのか?」

「忙しい現場部門にできるのか?」

 もっと言えば、

「ITリテラシーが低い現場部門がシステムの仕組みを理解して使いこなせるのか?」

 

これまで数多くの予測系業務システムの残骸を見てきた経験からすると、

無理にシステム化を進めた場合、出来た当時は使用されても、

現場の上長が変わり「こんな使い勝手のよくないシステムよりはエクセルだな。それにこの数値も考慮しないとダメだしな。よし!明日からエクセルに変更。」となったり、

システム変更が必要なタイミングで予算が無く改修が先延ばしされた結果、エクセルに戻っていく事が多々あります。

 

ここまで考えれば、おのずと答えは出てくると思います。

 

 

対策、最後に

 

どうしても予実管理をしたいのであれば、現場でこねくり回した予測数値をシステムにCSVで流し込める場所を用意する程度に留めましょう。そうすれば月次報告等の予実管理はできるようになるはずですし、管理部門も見れるようにはなるはずです。

 

現場の業務負担軽減については、エクセルの中身をよく精査し、エクセルを改善してあげる事が一番です。現場は忙しい中でエクセルを複雑怪奇なものにしてしまっている事もあるので、リンクや意味不明な計算式を合理的に整理して、必要であればマクロを組んであげるだけでも充分な業務効率向上は図れるはずです。

(作りっぱなしでは無く、アフターフォローについては情シスの定型業務の一つとして組み込んでください。)

 

システムの得意、不得意を見極めて、くれぐれも予測系業務をそのままシステム化しようなどという無茶はしないように気を付けましょう。数字をこねくり回す業務ではエクセルの使い勝手に勝るものは今のところ無さそうです。