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退職を申し出る前に覚悟しないといけない事

 

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「まとめ」と「始まり」

 

まとめ:「何がなんでも辞める!」覚悟が無いなら申し出は延期しましょう。

 

この話の前提となる会社:昭和な価値観で古い体質の日本企業(ほとんどの日本企業

 

 

ある日、高まる緊張を抑えながら上司の席に向かい、

 

「今日、お話ししたい事があるので〇時から30分ほどよろしいですか?」

「これから、ちょっとお話したい事があるのでお時間よろしいですか?」

 

この言葉を上司に発するまでに、

どれだけ愚痴を言い

どれだけ悩み、考え

どれだけ転職サイトを見て

どれだけコッソリと有休を取って面接に臨んだりした事でしょうか。

中には独立する準備を寝る間を惜しんで頑張った方もいるでしょう。

 

上司と時間調整をした後はソワソワしてしまい、仕事も手につかない事でしょう。

 

そして時間になり、二人でミーティングルームに入ります。

 

「どうしたの?〇〇さん?何か仕事の相談?まさか辞めるとか?」

 

緊張は最高潮です。

 

「じ、じつは・・・、〇月〇日をもって退職したいと考えています。」

 

一気に部屋の空気が変わります!

 

 

上司の甘い言葉の先に待ち受けるもの

 

しばらくの沈黙の後、上司からこんな事を言われます。

 

「〇〇さんには期待していたのになぁ。残念だよ。」

 

ちなみにこの言葉は上司が必ず言うセリフなので聞き流していいのですが、

(上司の上司に報告する時や退職稟議に「引き止めたけど、ダメでした。」と証拠を作る為、いわゆる上司の保身です。決してあなたを必要としているからではありません。悲しいけれど上司といえど上を気にする社畜(会社員)なのです。)

 

「頑張っているから、近いうちに昇格・昇給も考えていたのに。」

「そのうち、この部署を引っ張っていく役職を考えていたのに。」

 

こんな甘い言葉をかけてくる上司がいます。

(筆者も部下に甘い言葉を何度もかけました。)

 

筆者は退職申し出を4回経験しましたが、3回言われました。決意も固めていたし、申し出たら最後だと分かっていたので

「身に余るお言葉、有難うございます。でも・・・」

と言って、なんとか退職意志を貫いてきました。

 

しかし、退職の意志がぐらついていたりすれば、

  • 重苦しい雰囲気、
  • 上司の情けを誘うような話、
  • 期待されているような錯覚、
  • 「訂正するなら今のうちだよ」という上司の薄っぺらい態度

こうした苦しい雰囲気に負け、まるで自分が悪い事をしているかのような気持ちになったり、「こんなに必要とされているなんて」とジーンときてしまったりして、思わず上司の甘い言葉に乗ってしまうものです。

 

上司は

「そうか、良かったよ。これからも頑張って下さいよ。期待しているんだから。」

「この件は、私のところでとどめておくよ。」

なんてことを言って、その場は終わりになるかもしれません。

 

ところで、なぜ上司の甘い言葉に負けて居残ってはいけないのでしょうか?

「こんなに期待してくれている事が分かったんだから、残って頑張るのも一つの方法では?」

と思うかもしれませんが、退職を申し出たにも関わらず会社に残れば、「退職申し出者」という、その会社に居る限り消えないレッテルが貼られてしまうのです。

 

 

「退職申し出者」レッテルの貼り付け

 

 上司の甘い言葉に乗せられ会社に残り、上司は期待してくれているからと今まで以上に頑張っていると、ある日、仲の良い同僚からヒソヒソ話で

「お前さぁ、退職したいって言ったの?」

なんてことを言われます。

 

「「私のところでとどめておくよ。」って〇〇課長?部長?取締役?は言っていたのに、なんで噂が社内中に広がっているの?」

とショックを受ける事になります。

 

仮にそんな噂が自分の耳に入ってこなくても、人事、部課長、役員には話が回っていると認識してください。

 

これは当然の事です。

 

上司からしてみれば退職申し出の処理は部下の管理業務の一環であり、有能な上司であればあるほど「上司の上司」に”業務"の報告をするのは当たり前の事です。ましてやみんなが飛びつきたくなる「退職ネタ」ですから、噂が広まらない訳がありません。

 

上司に

「話が違うじゃないですか!なんで噂が広まっているんですか!」

と、食ってかかったところで評価を下げるだけなので、黙っているしか道は無くなります。

 

 

「退職申し出者」の取り扱い

 

これまでの筆者の経験(事業会社(~10,000人規模まで)の経営管理、社内システム構築、ベンダーSE)からすると、退職を申し出たという記録はシステム、エクセル、メール等のいずれかで記録として残されます。

 

社内の人事管理システムやエクセルに「退職申し出」区分なるものがあったりする会社もありました。システム用語で言えば「退職申し出フラグが立った!」といったところでしょうか。

 

更には、こういった記録より怖いのが「人の記憶」です。役員や部課長(おじさん達)の脳の神経細胞のつながりで「〇〇さん=退職申し出者」ができあがってしまうことです。これが思った以上に厄介なのです。

 

筆者は事業会社の役員達と仕事を進める事が多かったのですが、M&Aに関わる重要なプロジェクトメンバーの選定を役員達と話し合っていて、

「この人は優秀だからいかがですか?」

と筆者が聞くと、

「ダメダメ、以前退職を申し出た事があるんだよ。また負荷をかけたら辞めちゃうかもしれないし、もう大事な事は任せられないなぁ。」

と退職を申し出た社員をよく覚えている事に気付く事が多々ありました。

 

ある役員は仕事の大切な事はコロっと忘れてしまうのに、こういった退職にまつわる社員の出来事は何故かしっかりと覚えているのです。例え10年以上前であってもです。

 

こうなってくると、

  • 噂を広めた上司を信用できずに疑心暗鬼
  • 社内では「退職申し出クン、サン」としてレッテルが貼られてしまう
  • システムにも記録される
  • 大切なプロジェクトや業務にはアサインされなくなる
  • 上司、役員からは事あるごとに「退職申し出クン、サン」として色眼鏡

と、何も良い事はなくなってしまいます。

 

仮にシステムは刷新されて「退職申し出フラグ」は消えたとしても、人の記憶を刷新する事は出来ないので、その会社に居続ける限り、退職申し出の噂を知っている社員全員が辞めるまで「退職申し出者レッテル」を貼られ続ける事になります。

 

 

申し出たら退職以外に道は無し!

 

「噂を広められて、疑心暗鬼で毎日を過ごすくらいなら、辞めておけば良かった。内定先だって断っちゃったから、転職活動もイチからやり直しだよ。」

とガッカリしながら転職活動を再開する事になりますが、いざ書類選考が通り、面接が決まり有休を取れば、

「面接の事、バレないかなぁ。」

と疑心暗鬼になり、さらに退職の噂を知っている同僚たちからは

「おっ!〇〇さん休み?ひょっとして面接だったりして?(笑)」

とからかわれているものです。

 

転職先が見つかり退職したとしても、同僚達からは

「〇〇さん、居づらくなって辞めちゃったね。」

上司達からは

「やっぱり〇〇はダメだったな。プロジェクトも任せなくて正解だったな。」

と、なんとも後味の悪い退職をする事になります。

 

こんな事態を防ぐためにも退職を申し出る際は「確固たる意志」を持つ必要があります。

 

気持ちをぐらつかせる上司の甘い言葉を振返って見ると、

「頑張っているから、近いうちに昇格・昇給も考えていたのに。」

「そのうち、この部署を引っ張っていく役職を考えていたのに。」

 

「近いうちに」「そのうち」「将来」といった時期が曖昧な言葉が出てきた場合は、100%、口から出任せを言っています。

こんな事を言われたら、

「近いうちっていつですか?」

「そのうちっていつですか?」

と質問してみてください。100%イヤな顔をされます。

 

もうひとつ、特に20~30代前半の方に肝に銘じてもらいたいのが、

「常日頃から上司を信頼しない!特に課長、部長、役員!」

 

筆者は現在40代半ばで部長職もやりましたが、正直なところ、30半ば以上の赤の他人、ましてやサラリーマンという人種を信頼するなんてあまりにも世間知らずと言わざるを得ません。

 

筆者もそうだったように

「部下に見せる顔と上司・役員に見せる顔」

を巧みに使い分けているのです。この顔に騙されてしまう若い社員のあまりにも多い事と言ったら・・・。

 

やはり年を取るにつれて、話し方や、口から出任せもうまくなり、相手の心の動きを見ながら喋ることも出来るようになってくるので、若い社員を甘い言葉で騙す事なんてお手のものなのです。

更には社内であれば、立場の違いもあるので威圧感、抱擁感を自在に操れば、人生経験の少ない20~30代前半の若者の心をつかむのは容易な事なのです。

 

社員の心をつかむのも「管理業務」の一環なのです。あなたの裏に回れば、100%違う顔をして、彼の上司(部長、役員)に、

「実は〇〇が退職申し出してきたんですよ。まぁ、適当にあしらっておきましたが、そのうち辞めるかもしれないので、チェックしておいた方がよろしいかと。」

と従順な部下を演じているのです。

 

目の前の優しい、しわの刻まれた、全てを受け入れてくれそうな顔、有能で仕事がバリバリできそうな顔に騙されてはいけません!

 

 

最後に

 

「退職しても、出戻りオッケー!」

を宣言する会社がでてきてはいますが、日本国内ではまだまだ圧倒的少数と言って間違いありません。

 

ほとんどの日本企業、特に昭和な価値観を引きずる古い体質の企業では

「退職者=裏切り者」

という考えが未だに強く根付いています。

 

こうした考えに基づけば、

「退職申し出者=ほぼ裏切り者」

と残念ながらなってしまうのです。

 

これをご覧になられている方の中には、退職申し出をしようかと考え、ネットをさまよっているうちに辿り着いた方も居るはずですので、もしこれから退職を申し出るのであれば、もう一度考え直して、「退職意志」を強固なものにしてから、上司との重苦しい話し合いに臨んでみてはいかがでしょうか。

 

健闘を祈ります!