「まとめ」と「始まり」
まとめ:「受け身」総務はお荷物で「使えない!」
会社(営利企業)の中では「金を稼いでいる人が偉い!」が揺るぎない事実です。前線の、いわゆる直接部門に所属している人達は総務を見て、こんな気持ちを抱いてしまう事があります。
「総務?会社のお荷物で雑用係でしょ?」
「総務の人達って、暇なくせに、どうして言われてからしか動かないの?」
「総務は俺たちの邪魔にならないようにしてもらえる?」
「総務に行ったらサラリーマンとして終わりだよね。」
筆者も総務部システム課に所属していた事があるので、前線部門の人達から「金を稼いでいない、雑用部門の一員。」とみなされ、前線部門に適当にあしらわれたりと、イヤな気分をしていました。
一方で、経営企画やシステム部門が事業の重要な位置を占めている会社で働いていた時は、外側から総務を眺めて、昔、自分が総務に所属し、イヤな気持ちをしたにも関わらず、上に書いたような気持ちを抱いて、総務を冷たく扱った経験があります。
総務の人々は、こんな社内の空気を知っているので
「コストセンター」
「お荷物」
「使えない」
等の言葉に敏感だし、常日頃からコンプレックスを抱いて仕事をしています。
いつも傷つく、立場の弱い総務
日々コンプレックスを抱いている総務の気持ちも考えずに、前線部門からは
遠慮なく、
容赦なく、
つっけんどんに、
雑用を依頼されるのです。
あまりにも見下されたような態度で依頼されると、総務も人の子、イラっとして、
- 歯向かってみるものの・・・立場が弱いので従う
- でも、心は傷つく
- また嫌な思いをしたくないので、自発的にお世話をする気持ちが萎える
- 受け身がちになる
- 受け身だから前線部門は「気付けよお荷物!」と苛立ち
- 余計イジメられ
- 更に受け身になり・・・
と負のスパイラル陥ります。
耐えるのが当たり前の総務
総務に対してのイジメは、強い立場の人間が弱い立場の人間を攻撃する、典型的なイジメの構図ですが、
組織は「本業に従事する人が中心、立場が上」
さらには「前線部門は顧客と対峙」しているのです。
前線部門の人達がお客さんからぶっきらぼうな態度をされたからと言って、不貞腐れて、言われなければ動かない「受け身」にはなれません。
こんな事を考えれば、間接部門、特に総務はグッとこらえて自発的に前線部門のお世話をしなければならないのです。
こんな事を言うと、
「総務が無くなれば会社は機能しない!」
「縁の下の力持ちは必要!」
「俺たちだって、大事な戦力!」
と言われそうです。
ところが最近は、総務機能を丸ごとアウトソーシング出来るサービスがあります。確かに外注だと社内の事や会社の文化も分からないので、総務社員よりサービスは劣るかもしれません。
しかし、耐える事もせず、不貞腐れて、言われた事しかやらない「受け身総務」であれば、社員もろとも捨ててしまいましょう。そんな人間達にお金を払うのは「お金をドブに捨てている」のと同じですから。
確かに外注だと不自由な事はあるかもしれませんが、極論を言えば、お金を稼ぐ機能さえあれば会社は存続出来るので、こういう選択肢はありかと筆者は考えます。
価値ある総務の姿
それならばどんな総務なら価値が出てくるのでしょうか?
答えは簡単で「傷つくのを恐れない、自発的に動く総務」でしょう。
前線部門で言えば「どんなに断られても飛び込み続ける営業マン」と同じです。
最初のうちは忙しい前線部門の人達に邪険にされたり、バカにされたりする事もあるでしょう。でも、どんなに傷ついたとしても、
「何か不都合な事はありますか?」
「そろそろ名刺無くなる頃ですよね。追加注文しますか?」
「こんな雑用、私がしますよ。」
と、自発的に動きましょう。
こうやって率先してお手伝いする姿勢を示していれば、次第に前線部門の人達と信頼関係を築く事が出来、困ったときの頼れる存在になっていくのではないでしょうか。
最後に
そもそも前線部門の人達が総務に対して思いやりを持って接すれば、こんな現象は起きないのですが、上下を作りたがるのが人間の常ですし、ましてや営利企業であれば「金を稼ぐ事」が最優先ですから「直接、金を稼がない事」は、経営から見ても二の次になるので改善は期待出来ないと考えた方がよさそうです。
筆者は仕事で役員と話す事も多かったのですが、
経営者は直接部門の人員が足りない事には深刻になっても、総務が一人や二人居なくなったところで「人件費が軽くなってラッキー」くらいにしか考えていません。
先ず総務は、会社のヒエラルキー(階級)の最下層に居る事を受け止め、そのうえで価値ある総務になる為に、傷つく事を恐れず、屈せず、笑顔を忘れずに今日も御用聞きをしに前線部門に行きましょう。
こんな悲しい総務ですが大きなメリットがあります。
営業とは違って新たな顧客を開拓する必要は無いので、前線部門と確かな人間関係を構築すれば、皆から頼られる存在になり居心地の良い会社生活を送れる事が出来ます。
腐らずに頑張ろう、総務!