「よしっ!辞めてやる!」
と自分の中で決意した後で、
オフィスを見ると目に入る上司、同期、部下。
こんな疑問が浮かび上がってきます。
「嫌いな上司と付き合いは続くの?」
「仲の良かった同期とはどうなるの?」
「可愛がった部下との付き合いは?」
「退職しても続く関係ってどんなもの?」
そんな疑問に答えます。
- 仕事の延長線上の人間関係は続かない
- 1年程度は、勘違い上司からの連絡はあるかもしれない
- 趣味の人間関係は退職後も続く
- 退職後に元居た職場の批判はダメ!
- 退職後、会社の人間関係がどうなるのか気になる方
筆者はこれまでの20年で、日本企業など、5社に所属しました。なので退職も5回経験しています。
最初の退職は15年以上前になりますが鮮明に覚えています。別れ際に見た社長、担当取締役、部長、マネージャー、同期、後輩の顔は、今でも目に浮かんできます。
「これからも一緒に飲もう!」
と出勤最終日や送別会で言われたものの、ほぼ全ての関係は消え去りました。
一方で、15年以上経った今でも続いている関係もあります。
この関係だと続かない
在職中にこんな関係だと、退職後には関係が切れていく事は間違いありません。
- 議論を交わした同僚や上司
- 「育てる為」と叱責を繰り返して可愛がったつもりの部下
- よく雑談した同じ部課の同僚
- 居酒屋で上司の愚痴を言い合った同僚
- ドキドキの新人時代を一緒に過ごした同期
ここで共通するのは全て「仕事」の延長線上という事です。
筆者の経験や同僚達の事例からすると、100%の確率で退職と同時、もしくは1年を過ぎれば消滅していく関係です。
嫌いな上司から連絡は来るかも・・・
1年と書きましたが、1年以内は何かしらのお誘いが来る可能性があります。
筆者が初めて上司をした時は、部下が辞めて1年以内に、相手の迷惑も考えずに誘ってしまった事がありました。
筆者も含めて勘違い上司達は
「厳しく育ててやった〇〇さんは今頃何をしているかな?近況でも聞いてあげよう。退職したら上司の顔なんて見たくないのが世の相場だけど、俺様は全然違うから、〇〇さんも会いたがっているに違いない。」
と、部下から見ればとんでもない事を考えていたりするものです。
なぜ1年以内なのでしょうか?
失恋もそうですが、人間は季節が一周するまでは折に触れ思い出してしまうものなのです。
「去年の今頃は何をしていたなぁ~。おっ!そういえば〇〇さんはどうしているだろう?」
しかし1年を過ぎれば、1年前の思い出に〇〇さんは出てこなくなり、次第に記憶の中から消えていくものです。
残念ながら1年以内は嫌いな上司から連絡が来る可能性はあります。
そんな時の対処法
- 取引関係が続くのであれば付き合いは継続
- 取引関係が無ければ「断るも良し、会ってみるも良し」
同じ業界に転職して、なおかつ取引関係があるのなら「3回に1回は会う。」程度でいいので付き合いは継続するべきでしょう。
転職先での仕事に役立つ情報も得られるかもしれないし、思わぬ取引につながる可能性もあるので、「嫌いという気持ち」は横に置いて付き合います。
一方で、同じ業界でも無い、取引先関係にも無いとなれば、バッサリ切り捨てていいでしょう。気持ちの負担になっているなら速攻で切るべきです。
しかし、気持ちの負担になっていないのなら会ってみるのも一つの方法です。
「仕事では最悪だけど、仕事以外では面白いし、勉強になる。」
こういう人は実際に居ます。
筆者は「刺し違えてもいい」と思えるほど嫌いな上司が居ましたが、退職し、飲みながら話してみると、意外にも「勉強になるなぁ。」と思った事がありました。
こんな事もあるので、バッサリ切り捨てる前に考えてみたらいかがでしょうか。
この関係なら続いていく
筆者はこれまで退職を5回しましたが、それぞれの会社の同僚で今でも続いている人間関係があります。
そこには共通したキーワードがありました。
- 「会社行事では無く」プライベートで
- 「お互い」が誘い合って
- 「趣味」を楽しんだ
このキーワードで構築された人間関係は、
「上司も先輩も同期も部下も後輩も関係なく」
確実に続いていきます。
「会社行事では無く」プライベートで
社員旅行、ゴルフ、スポーツ大会等を行なっている会社は多くありますが、あくまでもこれは仕事の延長線上なので、こういったイベントでいくら仲良くしていても残念ながらお互いに「仕事」なのです。
そうではなく、プライベートな休日が前提となります。
貴重なプライベートの時間を仕事関係の人間に割り当てられるのか?
これが第一のポイントとなります。
「お互い」が誘い合って
第二のポイントはかなり重要です。
同じ趣味を持ち、休日に出かける状態であっても、お互いに誘い合う状態で無ければ、退職後は「良い思い出」になるのは間違いありません。
よくあるパターン:先輩が釣り好き、後輩も釣り好き、飲み会での一幕、
後輩「へー、先輩も釣り好きなんですか!僕も大好きなんですよ!」
先輩「おぉー!今度、一緒に行くか!」
後輩「いいっすねー!行きましょう!」
先輩「来月に3連休があるから、そこで行こう!」
後輩「了解です!」
と、よくある飲み会での話です。
後輩はこの先輩の事を「よっぽど嫌い」でなければ、一緒に行くことでしょう。
その後、先輩は退職します。
しばらく経ったある日、先輩は後輩の事を思い出し、釣りにでも誘おうかと思います。
ここがポイントです!
ここでサブタイトルの通り「お互いに誘い合って」いたのかをよく思い出してみてください。
「あれ?後輩から誘われた事は無かったなぁ。」
となったら、残念ながら誘うのはやめて、電話帳からそっと後輩の名前は消しましょう。
なぜなら後輩にとって
「先輩との釣りは仕事上のお付き合い」
だったのです。
後輩から見れば、
「先輩に誘われちゃったし、あんまり断って仕事に支障が出ても嫌だし・・・、来月は3連休だから・・・、1日くらいは先輩にくれてやるか!」
こんな事を考えています。
これは他の関係、例えば同期同士でも同じことが言えます。
「誘い合っているのか?」を日頃から気にかけていると、退職後も続く関係なのかを見極める事が出来ます。
「趣味」を楽しんだ
最後に第三のポイント、趣味をお互いに楽しんでいる間も少し気をつけて相手を見てください。
- あなたが上司・先輩の場合、相手(部下・後輩)が、気を使っていませんか?
- 相手はあなたの存在や仕事上の立場を忘れて、心底楽しんでいますか?
相手が気を使っているのなら、いくらあなたが楽しくても相手にとっては
「仕事上のお付き合い」
「気の重いもの」
になっています。
残念ながら、こういった場合も退職したら電話帳から消してあげる事が、相手の気持ちを軽くしてあげる事につながります。
逆に、相手があなたの存在を忘れるくらい趣味に没頭し、例えばスポーツの対戦で本気を出してきて、あなたは先輩にも関わらずコテンパンにされるくらいなら、相手はあなたを純粋な趣味の仲間として認めているのでしょう。
例をあげれば、釣りバカ日誌の「スーさん」と「ハマちゃん」のような関係です。
以上、3つのキーワードで考えてみれば、退職後も続く関係なのかは分かります。
筆者はランニングを趣味としていますが、昔の同僚や取引先の方々と、今でも連絡を取り合ってマラソン大会に出ています。筆者のタイムが遅ければ、年下の仲間から「どうしちゃったの?」とからかわれたりもします。
やはり「趣味が合う」「気を使わない」というのは人間関係を続けるうえで重要なキーワードなのです。
退職後にしてはいけない事
こうした趣味の合う仲間が出来ても、自分が退職した場合、やってはならない事があります。
(仲間はまだ元の会社に居ます。)
- 自発的に元の会社のビジネスを批判する
- 自発的に元の上司や同僚について「あの人は~~」と批判をする
あくまでも「自発的に」との前置きをつけました。自分は何かに不満があって退職したのですから批判をしたくなります。
しかし、趣味の仲間がまだ会社に居るのであれば、絶対に「自発的」に批判をしてはいけません。
自分にとっては終わった事であっても、仲間にとっては現在進行形であり、何か状況は変わっているかもしれません。ひょっとしたら、その仲間は自分が嫌いな上司Aさんを支持しているかもしれないのです。
仲間が何かを批判するのであれば、それに同調する程度でとどめておきましょう。
目の前に居る彼、彼女は「純粋な趣味の仲間」であって、もはや「仕事の仲間」ではないのです。
最後になりますが、筆者のスマホの連絡先を見ると、仕事を通して知り合い、そして「純粋な趣味の仲間」になった友人が何人もいます。
「仕事の人間関係はプライベートに持ち込みたくない」との風潮は昔からありますが、もし趣味が合うのなら、一歩踏み込んでみると新しい人間関係を構築できます。
さらには退職後も関係は続き、一生の趣味仲間になるかもしれないので、是非誘ってみるのはいかがでしょうか。
ただし、趣味を楽しんでいる間も
「趣味仲間」
の観察を忘れず、気を使っているのであれば
「気遣い無用」
の雰囲気を作り出し、人生の楽しい趣味仲間を増やしましょう。
これで記事は終わりとなります。
最後までお読みいただきありがとうございます。
この記事は筆者自身の退職経験等を基にしています。
多少なりとも参考になれば嬉しい限りです。
おまけ:飲み仲間は続かない
「○○課の○○さんは飲み仲間だし、この先も続くんだろうな。」
よくある関係ですが、正直なところ飲み仲間は長続きしません。
結局のところ「同じ会社」という枠組みが外れてしまった瞬間に共通の話題を失ってしまうからです。
辞めた当初は思い出で盛り上がる事が出来ても、次第にネタは無くなり、雑談をしていても間が持たなくなり、いつの間にか関係は消滅していきます。