「薪を割った瞬間に虫が飛び出してきた!」
「どんなに薪をチェックしても虫が居る!」
「冬なのに部屋の壁をハチが歩いていた!」
薪ストーブユーザーと虫との良い付き合い方を考えます。
- 薪=木=虫の住みか
- 撲滅はできない
- 居場所を減らす
- すき間を作らない
- 投げつける
- 捕まえて、一緒に春を待つ
- 薪ストーブユーザー
- 虫との付き合い方を考えている
薪ストーブは薪を使います。
薪は木なので虫の住みかです。
結論からすると、薪ストーブを使うかぎり、虫との付き合いは避けて通れません。
どんな時に出会うのか
薪を扱うさまざまな場面で虫と出会います。
薪割り
- 力いっぱい斧を振り下ろしたら、割れた木の中からゴキブリの幼虫がワラワラ
- 木のくぼみを見たら、見たことのない虫がギッシリ
- スネがチクチクすると思ったら、赤黒いアリが必死にかみついていた
薪の乾燥中(春~秋)
- ナラの薪から、カミキリムシが次から次へと旅立つ
- 薪と薪のすき間に足長バチが巣を作り、近づいたら刺された
- 晩秋の小春日和の日中は、越冬場所を探す足長バチが薪の周りをブンブン
冬の部屋の中
- 壁をのんびり歩く、カメムシ、てんとう虫、ハチ
- 暖まった部屋を飛び回るカミキリムシ
- 薪をストーブに入れようと手に取ったら、虫とこんにちは
どんな虫
正式には昆虫ではありませんが、
- クモ
- ムカデ
にも出会えます。
ゴキブリ:薪を割った瞬間に、ワラワラと何匹も出てくることがあります。木の中に巣を作っているようです。細長いさなぎも結構あります。
特に立ち枯れた木の中に多いようです。
街中で見るゴキブリではなく、山などに住んでいる大きなゴキブリです。
(羽根がないので、まだ成虫ではありません)
ハチ(足長バチ、ミツバチ):冬眠しようと木のすき間にもぐりこんだハチを見かけます。冬なので、飛ぶ元気はなく、ノソノソと歩くだけです。
アリやダンゴムシ:どこにでも居る虫ですが、薪をめくると冬眠していることがあります。
テントウムシ、カメムシ:冬の室内でよく見かけます。薪についていることも多く、暖まった部屋を飛び回ります。
クモ:小さいクモならかわいげもありますが、2~3㎝を超える大型のクモがいることもあります。
カミキリムシ:ナラ系の薪に多く、3月頃に薪を室内に置いておくと、羽化したカミキリムシが飛び回ります。
その他、人生で初めて見るような甲虫も見かけることがあります。
子供の頃はさまざまな種類の虫を捕まえていますが、大人になっても新たな甲虫を発見できるのは新鮮です。
原因
前述の通り、
- 薪=木=虫の住みか
なので、撲滅はできません。
しかし、対策をすることにより、ある程度は減らせます。
対策
薪割り、積み上げの際
虫の居場所を作らない
薪割りをしているときに気を付けているのは、特に樹皮と幹のすき間です。
はがれそうな樹皮は、はがしてしまいます。
樹皮は乾燥させるとはがれてきますが、とにかく虫の居場所を減らすことが大事になります。
はがれそうな樹皮と幹の間は、虫の格好の隠れ場所なので極力減らすようにします。
すき間はなるべく減らす
薪を積んでいく際は、すき間を減らすようにします。
これはハチの巣対策です。
特に足長バチは空間が数センチあれば、巣を作ってしまいます。
夏場に薪棚の周りをハチがブンブン飛んでいる場合は、巣を作られたと考えたほうがよさそうです。
こうした事を防ぐためにも、極力すき間を減らすことが大切になります。
筆者はうまく割れなかった大きめの薪を無造作に積んでいたところ、足長バチに巣を作られました。
油断して近づき、刺された経験があります。
※ こうしたすき間を作ると、足長バチに巣を作られてしまいます。
薪を運ぶとき
投げる
筆者は薪棚から薪を出したら、まず地面に投げつけます。
表面やすき間の奥深くでなければ、たいていの虫は投げ出されます。
はがれそうな樹皮は、投げつけた衝撃ではがれるので、虫の有無を確認しやすくなります。
地面に投げつける際の注意点、
- 手袋をする
- 自分に向かってこないようにする
投げる際の手袋は必須です。
手袋の表面が革やゴムでない普通の軍手だと、手を離れる瞬間にささくれが指に刺さることがあります。
以前ホームセンターで、指や手のひらがゴム地の作業用手袋(200円)を買っていましたが、薪を扱ったり、雑草取りをしたりするとすぐにゴムが破れてしまうので困っていました。
現在はこちらの革の手袋にしてみましたが、ホームセンターゴム手袋よりは耐久力があり、3年目に突入しました。
値段はアマゾンで1000円前後なので、ホームセンターの200円ゴム手袋の約5倍ですが、さらに2~3年使用できれば元は取れそうです。
地面に叩きつけるように投げると、バウンドした木が自分に向かってきて痛い思いをするので注意が必要です。
すき間をよく見る
薪ストーブの季節は冬なので、虫は冬眠しています。
冬眠する場所は温度変化の少ない、すき間になります。
薪を手にした際、すき間を中心によく見ます。
特に樹皮と幹のすき間や、くぼみに潜んでいることが多いと感じます。
夏に虫を取りに行っても、すき間やくぼみを探す事を考えれば、冬も同じ事です。
はがれそうな樹皮であれば、外ではがしてしまえば、虫を見つけることもでき、家に虫を持ち込むことも減ります。
家の中では
捕まえる
地面に投げつけても、目を皿のようにして確認しても、虫を持ち込むことはあります。
壁をのそのそと歩いていたり、暖かい部屋の中を飛び回ったりする虫も出てきます。
虫との付き合いは薪ストーブの宿命と言えます。
「見つけたら殺虫剤!」
といきたいところですが、人間の勝手な都合で冬を越そうと冬眠している虫を殺すのは気が引けます。
筆者はこちらを使って捕まえています。
虫は気温が低いと動きも鈍いので、簡単に捕まえられます。
網の部分も取り外せ、棒も小さくなるので、邪魔になることもありません。ただし、網の部分を外していると、いざ!という時にモタモタしてしまうので、網はつけています。
手袋をして捕まえたこともあります。しかし、足が取れてしまう事もあったのでやめました。
外に逃がすか、保護するか
捕まえたら即座に外に放り出したいところですが、冬なので部屋と外の気温差で、すぐに死んでしまいます。
筆者は土を入れ、落ち葉をたっぷり入れた虫かごを玄関内に置いて、冬眠場所を作っています。
以前、薪ストーブを焚く部屋に虫かごを置いていましたが、捕まえた虫たちは冬の間に全滅しました。
暖かすぎる部屋や、気温差が激しすぎると冬眠できずに死んでしまう事を学びました。それ以来、外の温度に近い玄関内に場所を変えてみたところ、春まで冬眠していました。
冬の間は、毎晩寝る前に霧吹きをし、3月上旬の啓蟄(けいちつ)の頃にフタを開けて外に置いておくと、いつの間にか虫達は居なくなっていました。
薪を使う以上、虫との付き合いは仕方のないことです。
以前は、冬に虫を見つけたら即座に外に出したり、殺虫剤で駆除したりしていましたが、虫も人間と同じ春を待つ生き物なので、無駄に殺生することはやめました。
これで記事は終わりです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
本記事は筆者の「虫」経験を基にしています。
多少なりとも虫対策の参考になれば嬉しいかぎりです。