「スペイン語のリスニング力が伸びない」
「聞いているだけだとリスニング力が伸びている気がしない」
「DELE B1/B2のリスニング試験は次元が違う感じで完敗」
こうした悩みを持つ方にリスニング力を強化する良い方法があります。
日本帰国後、約10年は全くスペイン語にふれず、ほぼすべてを忘れた状態から勉強を再開しました。
仕事中に、あえてスペイン語で調べての読解練習(コソ勉)や、オンライン会話や、週末の図書館勉強で、DELE B1、B2をどちらもギリギリで取得しました。
ちなみにB1は2回落ちました。B2も1回落ちました。
いずれもリスニングがかなり足を引っ張って「NO APTO」でした。
英語と比べて日常生活でスペイン語が聞こえてくる事はほとんど無く、youtubeを聞いていても、リスニング力が向上しているとは思えませんでした。
そこで試したのが「シャドーイング」でした。
これを毎日継続して行ない、1ヶ月が過ぎる頃からスペイン語が少しずつクリアに聞こえるようになりました。
「これは効果があるかもしれない。」
と思い、3ヶ月継続したところ、効果を実感出来るようになりました。
「リスニング力を向上する為には、ひたすらスペイン語を聞け!」
というセリフはよく聞きます。これは確かに意味がありますが、効果的にリスニング力を向上させるためには「シャドーイング」を行う事を是非おすすめします。
シャドーイングとは
- 正確に聞こえて、理解できているか
「シャドーイングとは」とググるともっと専門的に書かれているページもあるので、そちらを参考にしてみてください。筆者は専門家ではないので、ここでは簡単な説明にしておきます。
リスニングには大きく分けて2つのポイントがあります。
- 音を認識
- 意味を理解
音を認識
これは文字通り、
「どんな言葉(単語)を言っているのか。」
が分かる事です。
意味を理解
次のステップとして、
「聞こえてきた言葉の意味を即座に理解。」
となります。
シャドーイングを行うと
- 分からない単語
- 即座に意味を理解できない文章
が浮かび上がってきます。
感じた効果
- 聞き取れていない単語が分かる
- 正しい発音、イントネーション、アクセントが身につく
- 語彙が強化される
- 意味が浮かび上がってくる
- 話すスピードが上がる
聞き取れていない単語が分かる
シャドーイングをやると、今までは知っているつもりで聞き流してしまっていた分からない単語は、ハッキリ発音できません。
正しい発音、イントネーション、アクセントが身につく
スピーカーの真似をするので当たり前ですが、繰り返しシャドーイングをする事によって、ネイティブのように話す訓練ができ、発音等がブラッシュアップされます。
語彙が強化される
意味の分からない単語を調べて理解し、その後も同じ教材でシャドーイングを行う事により、見るだけの暗記よりも定着率が圧倒的に違う事を実感できます。
意味が浮かび上がってくる
同じ教材でシャドーイングを何度もやっていると、頭の中に意味のイメージが浮かび上がってくるようになります。
筆者はViajerosという教材でイルカの話をシャドーイングしていた時、20回を過ぎる頃から、日本語で話す時のようにイルカの動いているイメージが浮かび上がってきました。
話すスピードが上がる
3ヶ月間、シャドーイングを毎日続けていたところ、オンライン会話の先生に、
「話すスピードが上がって、発音が明確になった。」
と言われました。
自分でも少しスピードが速くなっていた気がしていましたが、これもシャドーイングの効果を実感した瞬間でした。
スペイン語のネイティブは早口の方も多いので、シャドーイングで鍛えておくと彼らのスピードに近づけて会話が出来るようになります。
具体的な方法
シャドーイングはどんな教材でもいいかと思いますが、ここでは筆者がDELE B1/B2対策で使用した教材と具体的な方法を紹介します。
問題集(B1、B2)
1回目
2回目以降
- 実際の試験と同じに解く
- 何も見ないでシャドーイング
- 分からなかった部分を再確認
DELE対策であれば、リスニングの試験形式に慣れる意味でも、全て覚えてしまうくらい、繰り返しやる事をおすすめします。
徹底した反復トレーニングで自信が持てるようになり、リスニング試験では妙な焦りも無くなり、落ち着いて試験に臨む事が出来るようになります。
使った問題集はこちらになります。
DELE B1向け
シャドーイングをするのに大切なトランスクリプトと解答は別冊になります。
DELE B2向け
こちらも同じでトランスクリプトと解答は別冊になります。
物語(Viajeros)※B2学習者向け
こちらは東京大学出版の本ですが、とにかく難しいです。
3~4行にわたるような1文が普通にでてきたり、古い単語が使われていたり、抽象的な表現が頻発していたりと、辞書を引きながら精読しても、意味を理解するのにかなり苦しみました。
さらにCDを聞くと、男性スピーカーの話すスピードがとにかく速いので、最初のうちはついていく事すらできませんでした。
意味は分からないし、話すスピードは速いしと苦労はしましたが、繰り返していくと違った景色が見えてきます。
ある時、youtubeでeuronewsを見ていると一語一語がクリアに頭に入ってくるのを感じました。
やはり苦しい思いをしても、スペイン語ニュースを聞けるようになるという大きな見返りがあるので、チャレンジしてみてはどうでしょうか。
その他(構文編、表現編)
この2冊に関しては文法の勉強をするために購入しましたが、車を運転している時などによくシャドーイングを行いました。
この教材の良いところは
- 始めに日本語、次にスペイン語なので意味を確認しながら学習できる
- よくある構文や表現を学べる
この教材の文をシャドーイングで覚えると、作文でも応用できるようになります。作文試験ではだいぶ助けてもらいました。
その他、シャドーイングに適している教材(Web)
NHK WORLD-JAPAN
こちらはポッドキャストで音声がダウンロード出来るので、Webページを見ながらシャドーイングを行なえます。毎日更新されるので、次々と新しい教材にトライされる方にはおすすめです。
ポッドキャストで再生される順番は下のナンバー順になります。シャドーイングをする際には参考にしてください。
※ ホームページより抜粋
Kenji Yokoi
こちらは中南米で超有名な「モチベーションスピーカー」の方です。ただ話すスピードはかなり速いので上級者向けです。
この下の動画はスペイン語字幕があるので、目を閉じて1回聞いて、感動して涙を流せるのであれば、 他の動画も完璧にリスニング出来ると思われます。
(筆者は感動して涙が出るまで3回かかりました。素晴らしい話です。)
3ヶ月継続すれば違う世界が見える
あくまでも筆者の経験となりますが、
「シャドーイングを3ヶ月続ければ、気味が悪いくらいスペイン語がクリアに聞こえてくる。」
というのが筆者の率直な感想です。
筆者は30代後半から再勉強をし、シャドーイングと出会うのも遅かったので効果が出るのが遅くなりましたが、20~30代前半の方であれば、もっと早く効果を実現できるはずです。
毎日30分でも続ければ、確実に効果は出てくるので、この「気味の悪さ」を感じるためにも継続する事をおすすめします。
これで記事は終わりとなります。
最後までお読みいただきありがとうございます。
この記事は筆者自身のスペイン語勉強を基にしています。
多少なりとも勉強の参考になれば嬉しい限りです。