「課長はオッサンだらけ、取締役はジイさんだらけ」
「いつまで経っても昇進できないし、やる気もでない」
こんな年功序列の会社で上手く振る舞って生き残る方法があります。
- 年齢と経験値は大事
- 違う有能さが必要
- 冷静な将来予測
- 敵を知り、飛び込む
- 安易に飛び出さない
- 避けない、アピールしない
- 年功序列の会社で生き残りたい方
- 古い体質の企業でなんとしても生き残りたい方
筆者は約20年、古い体質の日本企業等、5社に所属したり、製造業を中心として何社もの企業に訪問し、経営者や上司と言われる方々と一緒に仕事をしてきました。
見てきたほぼ全ての企業が年功序列でした。
「どうせオッサンやジイさんが決めるから、何を言っても無駄。」
「時代に取り残されて潰れちまえ!」
と不貞腐れたりしていました。
そんな環境の中でも30代、40代で一気に部長や役員まで昇進する先輩や同僚が居ました。
こんな年功序列の世界でも成功していく彼らと、やさぐれて落ちこぼれる筆者とその仲間達とは何が違うのが比較し、まとめました。
なぜそのままなのか?
- 今までこれでうまくいった
- やっぱり年齢と経験値は大事
- 部下(あなた)の有能さが足りない
今までこれでうまくいった
この仕組みで問題が無いから、変えていないのが一番でしょう。
経営者から見れば、数値に影響が出なければ変える必要はありません。
なぜ大改革をしないのかと言えば、それが一番の理由でしょう。
人事なんてものは二の次でいいものです。
もう一つは、年功序列をやめた場合に大量に出てくる「働かないオジサン」達の処遇問題もあります。
そもそも、昇進は「長期間、現場で耐えてきたご褒美」的な側面もあるので、「働かないオジサン」が居るのは当然です。
市場に確固たる地位を築き、数値に影響が無ければ、下っ端や外野が騒いだところで変わりません。
「時代は急速に変化しているから、そのうち潰れる!」
という声も出ますが、「そのうち」をイライラしながら待つくらいなら、さっさと適応してうまく生きる方が人生のメリットは大きいのです。
やっぱり年齢と経験値は大事
こうした企業では「年齢」と「経験値」を重視しています。
年功序列が機能している会社は創業も古く、取引先も古いのが当たり前です。
取引先の偉そうなオジサンが現れた時に、若造を出すわけにはいかないのです。
「こんな若造に何が分かるんだ!」
と年下なだけでバカにするオジサンは世の中の大半です。
そうなると、相応の「偉そうなオジサン」を出す必要があります。
それと「経験値」も大事にしています。
ITを使えば経験値の壁なんて超えられると思っているのは、外野と若手だけです。
世のオジサンとジイさんは全く思っていません。
なぜなら、それは自分の長年の経験、いや人生を否定する事につながるからです。
そんな事は誰でもしたくないのは明らかです。
部下(あなた)の有能さが足りない
ここでの「有能さ」は仕事の知識や技能ではありません。
そんなものは人並みに備えていれば問題ありません。
それよりも大事なのは「ジイさんとオッサン」に可愛がってもらえる能力が極めて大切です。
「昇進を決めるのは誰?」
これを考えれば、なぜ必要なのかが見えてきます。
- いつも反発ばかりしているけど、仕事では必ず成果を出す部下
- いつも従順で、仕事ではまぁまぁの成果を出す部下
どちらが「会社組織」の中で機能するのか?
年功序列が機能している会社では、ピラミッドの上から物事が進んでいきます。
例えば、新たな取り組みを始める場合、
- 「こんな感じにしたい」を社長や取締役が話す(方向性)
- 「こんな感じを形作る」のが部長(具体化)
- 「詳細な行動計画に落とし込む」のが課長、係長(詳細化)
- 「計画に沿って動く」のがヒラ社員(実行)
このようになりますが、反発ばかりの社員をこの流れの真ん中に置けるでしょうか?
それよりも、従順な社員を置いた方が流れはスムーズになります。
「方向性が間違っていたら誰かが声をあげないと!」
そんな方は、そういう文化の会社に転職すればいいのです。いくらでもあります。
古い体質の企業では必要とされていません。
生き残るには「従順」になる必要があります。
対処法
- 冷静な分析
- オッサン・ジイさん世代を知る
- オッサン・ジイさんと濃密な関係構築
冷静な分析
残っても未来があるのかを冷静に考える必要があります。
- 業界(拡大か縮小か?)
- 業界内での自社のポジション(首位か2位以下か?)
- 自分の仕事(社内失業しないか?)
- ライバル(少なくとも同期内でNo1.を掴めるか?)
- 給料(伸びていきそうか?)
- 地位(上位職を掴めるか?)
- 人間関係(大きなストレスになる奴は居るか?)
業界は存続しそうでも、今をときめくライバルが居て、いつもそいつの影であれば、諦めて新天地を探す事も一つの方法です。
ましてや、年功序列の体制に反感を持っていて、普段から反体制的な振る舞いをしているのなら、さっさと捨てて新天地を求めるべきです。
「いつか会社は変わるかも。」
なんてことを思っているうちに、自分がジジイになり閑職に追いやられるのがオチです。
逆に、業界は存続するし、ライバルを引き離していれば、未来の光が見えます。
オッサン・ジイさん世代を知る
オッサンとジイさんの懐の中に潜り込むためには、「敵」を知る必要があります。
- 昔、流行った歌
- 昔、流行った本
- 昔、流行った映画
- ゴルフ
- 釣り
このあたりは押さえておく必要があります。
飲み会などで聞いてみるのもいいでしょう。
彼らは喜んで話をしてくれます。
すかさず覚え、休日にでもチェックしましょう。
特に本に関しては、感動した本を聞き、読んでおきます。
歌に関しても、上司が好きな歌手の歌は、数曲は歌えるようになっておきます。
オッサン・ジイさんと濃密な関係構築
冷静な分析をし、彼らの世代を知ったなら、あとは濃密な関係を築くだけです。
オンラインでもオフラインでもいいので彼らと時間を共有します。
「飲みに行きましょう。」
「オンラインでちょっと雑談したいのですが。」
オンラインは仕事一辺倒になりがちですし、仕事の話が終われば部下に「ブチっ」と切られてしまい、寂しい思いもしているので誘いには乗ってきます。
そこでネタに使うのは「本」「映画」がいいでしょう。
10分、15分であっても、上司にとっては知識や思いをひけらかし、ついでに説教も出来る良い機会になります。
オフラインであれば飲み会、カラオケは定番でしょう。
※ 感染対策は万全で!
カラオケで気を付けたいのは、上司の歌を取らない事です。
なので、前述の通り、数曲は押さえておく必要があります。
「○○の歌を歌ってください!」
と上司に頼み、上司が何を歌うのか聞いてから、続けざまに同じ歌手の違う歌を入れましょう。
「おっ!知ってるの!」
と驚かせることが大事です。
「この前の飲み会で教えてもらって、聞いてみたら、意外とハマっちゃいました。」
こうすれば、確実に上司の心を掴めます。
やってはいけない事
- 衝動的な転職
- オッサン・ジイさん世代を避ける
- 新しい世代を主張
衝動的な転職
前述の「冷静な分析」をしないうちに、
「こんな年功序列の中で、やってられるかー!」
と言って、飛び出す同僚を何人も見てきました。
転職したら、仕事の信頼も人間関係も全てはゼロから始まります。
「あの時、隣りの芝生を見なければ。」
「あの時、もっと考えていれば。」
実は筆者も同じように飛び出し、後悔した事があります。
先ずは冷静に分析し、「自分なりの理論」を重ねます。
「自分なり」でいいのは、結局のところ他人の意見は十人十色なので、一番後悔しないのは自分の理論を信じ、動く事です。
オッサン・ジイさん世代を避ける
前述の通り、いくら抵抗したところで昇進を決めるのは彼らです。
彼らを避ければ、気付き、相応の評価を下します。
たとえどんなに仕事で成果を出してもです。
「こいつは組織の中で機能するのか?」
「上から降りてきた指示を忠実にこなせるのか?」
こうした部分も重要なのです。
彼らと積極的に交われないのであれば、行き先は閑職です。
新しい世代を主張
「えっ、まだこんなやり方なんですか?」
自分が新しい世代である事を見せつけるのはアウトです。
オッサンやジイさんは知らない事が多くあります。
そんな時に頭ごなしに言われたら傷つきます。同時に不快にさせる事になります。
一度でもこうした事をすると、彼らはよく覚えているので、昇進は出来ないと考えた方がいいでしょう。
彼らとの良好な人間関係は昇進への最重要課題なのです。
傷つけず、良好な関係を維持しながら、何かを進言したいのであれば「カラのレジ袋」になります。
最後に
若手で有能であればあるほど、年功序列には腹が立ち、飛び出したくなるものです。
しかし飛び出せば、全てをゼロから始めなければならず、大きなリスクを抱えます。
それよりも、オジサンとジイさんを抱き込んでスルスルと昇進していくのが、リスクの低いサバイバル方法です。
これで記事は終わりとなります。
最後までお読みいただきありがとうございます。
本記事は対処の上手い先輩や部下の観察、そして筆者自身の失敗を基にしています。
多少なりとも、古い体質の企業での生き残りの参考になれば嬉しい限りです。
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